所信

はじめに

神近友樹 我々、一般社団法人武雄青年会議所は2016年に創立50周年を迎え、1967年の始動から51年、「明るい豊かなまち・武雄市」の実現のため、行政や公共団体、活躍される他の社会奉仕団体の皆様とともに活動してきた組織体であります。私は永きに渡って活動に取り組んでこられた諸先輩方々のご苦労を思うと尊敬の念を抱かずにはいられません。時代の変化に対応し、何がまちに必要であるのか議論を交わしながら、武雄市の発展のため仲間とともに活動された先輩方の行動力・想いは継承していかなければならないと強く思います。
創立52年目を迎える今、国の体力を減退させないための地方創生が叫ばれているなかで、地方都市の運営は厳しさを増しています。目まぐるしく変化する現代社会の中でどんなことが武雄に必要なのか、我々はいち早く判断し団結力をもって行動を起こさなければなりません。向かう道は険しいものかもしれません。しかし、「明るい豊かなまちの創造」を継承する全会員の武雄市を愛する想いがあれば、どのようなことでも立ち向かえると私は自信をもって断言できます。真っ向から挑んできた51年、そして52年目の今年もこのまちの発展のために、我々の英知が如何なく発揮できるよう努め、地域社会の課題に堂々と挑もうではありませんか。

 

勇猛果敢〜共に挑む、未来〜

今年度のテーマは「勇猛果敢~共に挑む、未来~」と掲げました。勇ましく強く判断力に富み、多少の抵抗にも屈せず物事に取り組むこと、これは青年会議所活動を取り組むうえで常に私自身が掲げているポリシーであります。武雄に必要なものは何か?ではなく、武雄に足りないものは何か。我々に足りないものは何か。自己啓発的で柔軟な思考を持つようにしたい。物事を始めようとする時、まずは否定から入ろうとする思考回路や、既定路線を歩もうとする安全志向を切り捨てるようにしたい。この回路を変えなければ、我々が行う事業が真に有意義な事業になることはないと思うのです。自分が汗して出している活動費は誰のために使われるべきでしょう。
我々は歴代から続く「志の継承」が襷となり、51ページの歴史の中の、その時代やあの場面で確かに引き継がれていたことを先の50周年事業の中に発見し、情熱、判断力、行動力、そしてそこから始まる影響力といったものを身体全体で感知することができました。過去の活動を違和感なく見つめ感嘆していたのは、我々が襷を受け継いで活動してきたからに違いありません。
私はこうした会議所活動の歴史を振り返る度に、この襷は「グリット」と同じようなものではないかと思うようになりました。誰にも負けない努力・根性・忍耐・情熱。そして、やり抜く力。これこそが継承されてきた襷なのではないか。事業結果よりも着眼や目標、プロセス、フィードバックといったことが最も大切なのではないかと思うのです。諸先輩方と意見を交わす度に、会議所で培われたであろう「グリット」が無意識のうちに自分の仕事や生活に取り入れられているのだと感じ、私はここに青年会議所の活動会員としての意義があると確信しました。もはや単なる襷ではなくなった我々の使命は、T.(training)S.(service).F(friendship)の三信条を原点とした会議所活動をLOMが正しく理解し、明確な目的をもとに実践することを引き金として、そこに生まれるグリットをさらに修練することにより、変化に富む現代社会のそれぞれの立場で活躍する会員が、現実に対応できる力を養っていくのだと思います。
2018年は私を含め、正しい洞察、逞しい実行、粘り強い精神をもつ「人」を創りながら社会に挑む。会員一人ひとりに「明るい豊かなまち」を目指すという襷のリアライズを伝えながら、私は未来で挑戦できる人の礎をつくりたいのです。

結びに

私は、2005年に友人に誘われて武雄青年会議所に入会しました。入会当初は何をやればいいのか、自分の日常生活に青年会議所の活動が必要なのかと否定的なことばかり考えていました。それがあることをきっかけに真剣に且つ楽しそうに活動しているメンバーを眩しく感じ、活動への考え方や取り組み方が変わっていきます。そして今では、この活動が私の中ではなくてはならないものになってしまいました。これには自分自身が人としての成長を実感できているという「嬉しさ」が附着していて、仕事や家庭の都合で思うように参加できないメンバー、活動に魅力を感じていないメンバーにこの価値観を感じてもらいたいと強く思っています。全メンバーが1つでも多くの事業に参加できるようにするために、私自身も含めて活動するメンバーがまず思考回路を変え、参加できない人に意見するより、参加できる自分達に意見してみましょう。個が変わることは全体に波及します。変わった個が集結して新しい力を生み、発揮した力は個がきっちりと会得する。これをワークルーティンとして徹底すれば、変化していく自分を感じることができると思うのです。メンバーからの貴重な財源と、個々の貴重な時間を使って活動していく中で、自分が輝く時間を見つけようとしなければ単なる思い出づくりに終わってしまいます。有効期限40歳までの「カード」の有効な使い方に正解はありません。
ですが、カードは必ず自分のために使うものだと思っています。

基本方針

実は生き残りをかけたまちまちづくりだ

2014年、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活性化を目的とした自治体が地方の総合戦略を策定し実行する「地方創生」の政策が打ち出されました。武雄市は「もっと輝く☆スター戦略」と銘打って実行中です。現在の市の人口は49,108人(平成27年国勢調査)、42年後の2060年には3.2万人へ減少すると推計されました。スター戦略では4万人を維持するという目標を掲げてありますが、実は人口維持が目標ではなくて、所得の10%向上が本当の目標であると市長は語っています。もちろん、実現するには今以上の多くの皆さんの知恵と力が必要だと思いますが、今や地方創生を通したまちづくりという考え方ではなく、「地方自治体の生き残り」をかけた取り組みが始まっているという考え方が必要です。行政の施策を外野から見るのではなく、必ず来る「費用負担増額の時代」までに地方都市・武雄を確立するため、その施策の一つでも成功させようと協力しあう官民一体となったチームの一員になることが求められています。公私ともにまちづくりに傾注するメンバーを一人でも多く派生していくよう努めたいと思います。

子ども達の「頼りになる友だち」になる

子ども達の現状を我々はどのくらい理解しているでしょうか。我々の小さな頃と比べて子ども達を取り巻く環境は大きく変化しています。何よりも情報を得る速さ、簡単に情報が得られる便利さの裏には、必要以上に情報が氾濫し、面白おかしく伝わる危険な情報やSNS等によって拡散する不確かな情報を信じ、この時期の思考や心理に大きな影響を及ぼしていることは否めません。パソコンやタブレットで情報は得られても、表情や言葉で伝達される人間本来のコミュニケーションは、人格を作る大切な時期の重要なポイントであることは昔も今も変わることがないと思います。子育て中の私は子どもに対して親+頼りになる友だちというランクでいたい。身構えて接しようとする子ども達に問うても答えはありません。「大人が変われば、子どもが変わる」子ども達の現状を理解し支援するために、我々が子ども達を友だちと紹介できる絵図を作ること。子どもに「頼りになる友だち」と認めてもらいましょう。「子どもが変われば、未来が変わる」今までと違った取り組み方で子ども支援を行っていきます。

広報とは自らを正そうとする手段なのだ

我々の活動を市民の皆様に知ってもらう広報は大変重要です。なぜなら我々は単年度の奉仕活動団体であるから。とはいえ、基本方針とする奉仕活動が大きく変わることはありません。時代とともに手を変え、品を変えて活動していく全てには事業計画があって、協議・審議を経て青年会議所として承認した事業活動を発信していくわけですから、少しでも多くの方々に関心を持って頂くように広報していくのは当然なことであります。だが、もう一歩深く考えて下さい。「広報=告知」ではなくて「広報=自分をさらす」という認識をするとどうでしょう。身を正し、最大のグリットを発揮した事業活動であることを広報しなければなりません。SNSやFBの普及により情報の発信や共有がスムーズになり、簡単に告知できるようになったことから広報の幅は格段に向上しました。しかし、もう片方では誰もがそれに対して公に評価ができるようになったのも事実です。単なるお知らせ広報になるのか、魅力ある広報にできるのかはメンバーの態度と情熱に表れると思います。そして、広報から受けるイメージは次代へつながる大事な印象だということも忘れてはなりません。

一歩踏み込んだ交流を行えることがあなたの力になる

青年会議所を学び伝えていくうえで先輩方との交流は大切な時間です。数多くの先輩方との交流があったからこそこれまでの活動の具体的な中身を知ることができ、現在の活動に活かされていると思います。時代背景により活動の手法や手段に違いこそあれ、未来との結びつきをどうするかが活動の根本であり「明るい豊かなまちの創造」は不変であります。しかし、諸先輩と日常生活の中で自然に交流できるということは、何か共通の繋がりがない限りありません。時期を同じくして活動できなかった先輩方との交流は難しい面もありますが、そうした機会に積極的に参加して深い交流ができれば、日常生活の中でもお互いに必要な仲間になることもあると思います。先輩に教えられ、後輩に託すということが思いの流れであり、永続的な組織として繁栄し続けることにおいてはこの深い繋がりが絶対に必要であると思います。会議所の先輩という限られた枠に留めず、地域社会の先輩として公私ともに頼りに出来る関係を築くことは自分にとって大きな力になり、会議所にとってはこれから先も大きな原動力になると思います。

組織の運営を理解すれば強力の意味がわかる

我々が行う活動のすべてについて要となるのが組織の運営であります。組織的に考え、組織的に行動する。云うことは簡単ですが、総じて組織的に行動できるメンバーは実際には少ないのではないでしょうか。私自身は個で仕事をしているので組織的に考え動くことは会議所活動の中で学ぶことが多いのですが、会議所以外で組織的に動くことの理解ができて、それを行動に起こせているかというと反省することが多く、理解力や応用力が必要だと痛感させられます。組織的に動かすためには人の管理が出来なければならないし、財政面はピンポイントで把握しておかなければなりません。正しい舵取り、用意周到な計画、ルールの厳守、連帯行動、報連相の徹底。事業をする時の仲間の力は、率いて旗振る者にどれだけの安心と強さを与えてくれるでしょう。組織の運営を理解する事は本当の協力とは何かを教えてくれます。一人で動かせないのが組織であり協力できるあなたがいるから組織なのです。

自分の存在と役割を理解して居場所を知る

今年は佐賀ブロック大会主催という大きな役目を拝命しました。歴史ある佐賀ブロック大会の主管LOMとして一人ひとりが高い意識をもって取り組まなければなりません。大会まではいろいろな課題を解決しながらの道程になりますが、結果が大切ではなく大会までのプロセスが大切なことは云うまでもありません。県内の各LOMからJAYCEEが集まる大会です。大いにグリットを鍛練しましょう。こうした活動では自分の居場所を見つける事ができます。社会人として、経済人として、JCマンとして、・・・自分はどこにいるか見つけて下さい。1シーンごとに武雄青年会議所メンバーのグリットを集め、思う存分に表現することが重要であり、全員が大会に参画して達成感を感じることは、その後の個々のグリットに大きな影響をもたらすでしょう。一致団結して挑むために全メンバーが計画を把握し、情報を共有してブロック大会に向けて決起しましょう。会議所の歴史の1ページに刻むのですから、全メンバーの記憶に残る大会になるよう強い意志を持って事業計画の構築に努めます。

人が原点だからこそ繰り返し行う自己修練

我々が所属する青年会議所は、日本を含めた117か国のNOM約162,000人、日本の697のLOM・約36,000人が活動をしている大組織であります。この中で活動している我々はJAYCEEと呼ばれる尊重された個人であり、活動の中から学びや気づきを吸収して、一人でも多くのメンバーが地域を担うリーダーとなるために自己修練を兼ねた社会奉仕活動を展開するという使命を負っています。JAYCEEと呼ばれるにふさわしい質と力を養うために、日本青年会議所のプログラムやセミナーを活用して自己を研鑽し、社会奉仕活動を行う中で現実に即した実行力を学びます。20歳から40歳までの間に何度も繰り返す活動と修練。この活動で得たことを自分の会社や地域でフィードバックさせなければ、あなたのカードは無駄に使ったことになります。再認識しましょう。「その人を知らざれば、その友を見よ」の孔子の言葉どおりに、多くの仲間の生涯の友と成り得るために。